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楽彼新機種「LP6」のFPGAを巡る、七つの兵器

楽彼新機種「LP6」のFPGAを巡る、七つの兵器
 
FPGAをめぐるLP6の七つの兵器
 
これまでの二つの文章でFPGAの現状及び現在HIFIプレイヤーにおける一部の応用について紹介した。ここで我々が紹介したいのはLP6においての、FPGAはどのような素晴らしい設計になっているのかである。本文を始める前に我々はまず読者の疑問や不明な点について答えたい。FPGAはその場でプログラミングできるチップで、具体的にどのように活用するかは開発者の理解力とソフトウェアに対するプログラミングスキルによって決まる。
つまり、FPGAをただ使用しただけで万事めでたしではなく、これはとても長い作業の始まりに過ぎない。
 
新記録を破った秘密武器

聴感が優れるR2R DAC、THDと動態性能を倍にするとどのような驚く結果をもたらすのか?
LP6の中のDACはR2Rアーキテクチャチップで、数多くの抵抗セットによって構築され、抵抗マッチング精度と熱雑音はDAC性能に深刻な影響を与えることとなる。
この点においては、Σ-Δ DACがデジタル電気回路で雑音整形し、帯域外領域に変調する原理と完全に異なる。Σ-Δ DACに比べ、R2R DACはΣ-Δ変調を行っておらず、雑音整形もしていないため耳に入ってくる感覚はより自然となるが、雑音と高調波の割合がかなり高くなり、THD数値は低くなる。

このような状況を改善するために、我々は直通モデルのLP6をFFT分析で大量に分析し、高調波の分布法則を見つけ、数え切れないほど改善アルゴリズムに休むことない実験を加え、FPGAのマルチDSPの高い演算力に頼って有害の高調波を低下させることで、TFD性能はなんと3~9デシベルも向上しました。数字に敏感なマニアの方はきっとこの数字に興奮してくださると思います。なぜなら6デシベルは二倍の性能になることを意味するため、単純に演算法でFPGAに連携するとR2R DACのTFD性能を二倍向上させることができます。これはこれまでのオーディオ製品にとってかつてないソフトウェアで、我々にとっても喜ばしいことです。LP6のTFD性能はR2Rチップ完成品の新記録を塗り替え、R2R DACの元々の自然なサウンドを保ったと同時に音の密度を高めました。
これを前提にTFD性能もこれほど向上できることはまさしく鬼に金棒のようです。

THD性能
PCM1704U-Kチップ LP6チタン版完成品オフ関連演算法  LP6チタン版完成品オン関連演算法
-101.9db (0.0008%) -98db(0.00125%) -105db(0.00055%)
 
スーパー「DF1704」
 
皆様がR2R DACを開けた時、見慣れたセットが出てきます。
例えばPCM1704 DACのそばでよくDF1704高調波チップが出てきます。なぜならば、単純にR2R DACを使うことは多くの周波数帯でサウンドが硬くなりやすく、単調になりやすい。この時にDF1704のようなフィルタリングチップは重要な役割を発揮することになります。内部オーバーサンプリングなどの機能を用いてR2R DACが多くの周波数帯におけるサウンドを大々的に高めました。
 
我々がLP6を設計する時、DF1704チップは生産終了していました。市場には分解された商品しかなく、
技術は古く、サンプリングレートは低く、
フィルターの種類は2種類しかサポートされていませんでした。
現在主流のFPGAはいずれも28ナノメートル以内の製造技術で、これまでのオーディオデジタルチップは一般的に0.35マイクロメートルだったため、電力消費性能及び使用の柔軟性においてこれからのニーズに遥かに満たせません。デジタル技術が目覚ましく進歩する今の時代において、大型FPGAに完璧な演算法を持つIPを加えれば、内部の膨大なデジタル資源により、我々は自由に力を発揮し、性能と拡張性はDF1704チップのレベルを遥かに超えることができる上、全てのマニアの様々なサウンドニーズのためにカスタムフィルタ性能を開発することもできます。LP6内部のFPGAがこの時に発揮できる役割はマルチデジタルフィルタリングの機能、先端技術で電力消費を低下させたスーパーDF1704チップに相当できます。もちろんデジタルフィルタリングを使用せず、オーバーサンプリング処理を行わなくても問題はありません。つまりNOSも使用できません。



フィルタ種類
現在LP6 FPGA開発済のフィルタ種類 DF1704チップ対応のフィルタ
SHARP ROLL OFF SHARP ROLL OFF
SLOW ROLL OFF SLOW ROLL OFF
SHORT DELAY  SHARP  ROLL OFF  
SHORT DELAY  SLOW  ROLL OFF  
SUPER SLOW  ROLL OFF  
LOW DISPERSION SHORT DELAY  
SUPER SHARP ROLL OFF  


ネイティブDSD PCM変換

R2R DACはDSD関連のインターフェースがないことを多くのマニアの方々は知っており、LP6はネイティブのDSDをどのように対応するのかに疑問を持つ者が多いでしょう。我々はFPGAを用いてAKM社AK4137チップと同じ機能を実現させることができ、このチップはDSD PCMに近い無損失の変換ができる。DSDとPCMのエンコーダ方式と異なるが、いずれもデジタルの形で連続する波形を記録するものである。言い換えるとその本質はいずれもデジタルシグナルで、このような変換は基本的に性能を影響することはなく、十分な演算資源と優れた変換アルゴリズムがあれば無損失変換ができるようになります。LP6が選んだFPGA資源が十分である上、データのパラレル処理に長けているため、その変換効率が高く、設計もより便利で、柔軟性を持ちます。


 
高性能カスタムEQ
 
LP6を発表するまで、多くのマニアから「なぜ楽彼は決まったいくつかのEQしかなく、カスタムEQを出さないのか?」と聞かれたことがあります。このような疑問に対して、カスタムEQの設計は簡単ですが、前の機種のFPGA資源が不十分で、ビルトイン型MCUでEQを調整していた。しかしMCUは大量なパラレルデータの処理に向いていないため、EQ性能は確かに無理があるのです。LP6はEQを持つ他に数セットのカスタムEQも持っているます。今回のEQは決して見掛け倒しではなく、多くの専門EQ機のサウンドに匹敵することでしょう。


 
七つの兵器
 
一台のトップクラスR2R HIFIプレイヤーが大型なデジタルフィルタ、TFD性能倍増、無損失DSD変換PCM、高性能カスタムEQ、高精度クロックソース、広帯域ブロードバンドインターフェース、超低ジッターSPDIF OUTの七つの機能が必要であれば、さらに、仮にこの七つの機能がそれぞれ単独の高性能チップを使っているのであれば、ローパスフィルター、増幅器、DACなどサウンドに大きく関わるアナログ部分の電気回路を余裕に配置できる回路基板はどこにあるのだろうか?
しかし、この七つの機能を実現させる単独チップは一部の市場において全く存在せず、一部の性能は完全に我々の需要に達することはできない。LP6は一つのINTEL FPGAを使用すれば以上の七つの応用を実現できた。その内多くはオリジナルの特技とも言えるでしょう。例えばINTELのエンジニアたちも我々がどのようにR2R DACチップのTHD性能を高めているのかについて好奇心を持ってくださっています。なぜならば現在最良のR2R DACチップのデータ性能は我々の完成品ほど高くなく、七つの兵器が合わせるとようやくIFTDへの扉が開かれた。エンジニアたちの魂に感謝、FPGSに感謝、このような膨大なプログラミング、パラレル演算できるロジックユニットチップを我々に与えることはプレイヤー、さらには未来のために無数の可能性を与えてくれました。
 
楽彼(LUXURY&PRECISION)